01ゲストハウスtoco. / in Iriya, Tokyo / Open at Oct. 2010

東京の入谷という町でゲストハウスtoco.を開業したのは2010年の10月のことです。Backpackers’ Japanの創業メンバーと四人の大工さん、そして大勢のお手伝いの方と一緒に、築90年の古民家とその前面に建つ建物を改装し、オープンさせました。

友人に紹介されて初めてこの物件を訪れたとき、あまりに立派に、きれいに残っていた古民家と、緑の生い茂る小さな庭に感銘を受けた私たちは改装のコンセプトを「90年の歴史の延長」と定めました。木造の母屋が持つ自然な風合いを無理に変えることはせず、線を継ぎ足すように、元からある造作や、温かみのある雰囲気を大切に宿をつくっています。

古民家とは別に建つ二階建ての建物は、toco.のバースペース。虹色の階段とツリーハウスを模した小さなバーカウンターが目印のこの場所は宿泊者のリビングスペースでもあり、和気藹々とした楽しい交流が日々生まれています。

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02Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE / in Kuramae, Tokyo / Open at Sep. 2012

toco.を開業してから一年と少しが経ち、2011年の東日本大震災で大幅に減った訪日外国人数も少しずつ回復していた頃、浅草にほど近い蔵前という町で、一階の天井高が4.5mもある元倉庫の一棟貸しビルが見つかりました。

toco.を営業する中で、バーで生まれる世代を越えた会話や、言語の壁を感じさせない心の通った交流、またそういった景色が見せる晴れやかな雰囲気に夢中になっていた私たちは、もっと大きな場所でそれを体現しようと出店を決意。toco.と比べて何倍もの規模のプロジェクトとなり、改装にあたってはtoco.の時に尽力してくれた大工の渡部さんを筆頭に、大工さんや職人さん、友人のインテリアデザイナーなど14名が全国から集結しました。

四ヶ月の工事の末、計100人が泊まることのできるホステルと、お酒、食事、コーヒー、ライブやイベントなど、様々な魅力が詰まったラウンジが完成。「こんなに天井が高くて風通しのいい一階があるから、外で飲んでいて、みんな自然に仲良くなれるようなバーをつくろう」と、そんな話を大工さんたちと毎晩しながら生まれたNui.のバータイムは、2012年のオープン以降、生き生きと働くスタッフたちを触媒に、思いがけない出会いにあふれた場所であり続けています。

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03Len京都河原町 / in Kawaramachi, Kyoto / Open at Mar. 2015

2014年、東京でさらなる店舗展開をしようと動いていたものの、なかなか希望する物件に出会えずにいた頃、Nui.のデザイナーを経由して京都の物件を紹介されたことから始まったのがLenのプロジェクトです。離れた土地で展開することに若干の不安はあったものの、将来的には全国で店舗展開をしたい気持ちがあったため、その時期が早くなっただけだと出店を決めました。

Lenの改装では、Nui.を作った大工さんらが再び集まり、立ち上げスタッフとして東京から出向いた社員数名が本格的に改装工事に加わったほか、京都で採用したオープニングスタッフにも工事に参加してもらいました。

一階ラウンジはNui.と同様、宿のレセプション機能、カフェ、バー、ダイニングの機能を持つ複合型。ホステル、ラウンジともにNui.と比べると大きくはないものの、自然に囲まれた京都の風景を内装にも落とし込み、集う人たちの遊動を期待しながらもほっと一息つける、バランスの良い店舗を目指して設計されています。Lenは2015年にオープンし、自社の店舗のみで旅行者が東京・京都間を移動する際の拠点をつくることができました。

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04CITAN / in Higashi-Nihonbashi, Tokyo / Open at Mar. 2017

初の地下階付きの店舗です。CITANの物件を紹介された際、地下階の使い方の難しさや雰囲気の暗さを懸念して一度物件オーナーに断りを入れたところ、「では一階の床に穴を開けて光の入る大きな階段を作りましょう」と言ってくれた思い切りに胸を打たれ、この物件を四号店としてオープンさせることが決まりました。

それまでにオープンさせたどこよりも規模の大きな宿となりましたが、個室・ドミトリーともに、フレームの素材から協議してオリジナルのベッドをつくるなど、これまでの知識や経験を随所に反映させた設備、そしてデザインになっています。

地下のラウンジに関してはNui.よりも少し大人なバーダイニングを思い描きながら、地下の特性を生かして音響をこだわり抜き、通常営業時の飲食シーンと音楽が対立せずに共存する空間を目指しました。また、建物の顔となる一階エントランス部分には自社のカフェブランド「BERTH COFFEE」をオープンさせ、これまでの店舗ではラウンジやバーが担っていた宿の内側と外側を結びつける役割を果たしています。

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