NOTES

求められる変化と要請。真剣に話をする人を増やすこと。いま私たちが事業責任者を募集する理由

この度、Backpackers' Japanでは、宿泊事業の事業責任者を募集することにしました。

目的と概要についてはこちらの募集記事をご覧ください。

リンク先の記事を読んでもらえればある程度意図は伝わると思いつつ、こちらの記事では募集記事には書ききれなかった背景の部分について少し踏み込んで補足をしたいと思います。

長く続けるために新陳代謝をし続けなければならない

まず大前提として、私たち経営陣はBackpackers’ Japanという会社をまだまだこの先も存続させたいと思っています。私たちはこれまでの間、私たちの事業を必要としてくれている人が多くいるという実感を強く持ちながら会社を続けてきました。上記の募集記事の中では「ホステルという文化は街や訪れる人にとって特別な熱気や活気を与えうる」という話をしていますし、これまでの15年の経験のもと、個人でも大手でもできない一手を打てるユニークなポジションに会社が育っている自負があります。

そして、会社を存続させていくためには新陳代謝が不可欠だと思っています。同じ経営陣、同じ運営スタッフ、同じ組織体制、同じ事業モデルで続けていてはどこかで価値観が古くなり、世の中と噛み合わなくなってくる。怠慢や怠惰、過信、弛みは、時間が積み重なるほど起きやすくなるし、逆に、活発な意見やアイデアは新しい観点と適切な緊張感があってこそ生まれるものだと考えています。必要な場面場面で新しい人を迎えることでチームには変化がもたらされ、価値観をアップデートする機会が生まれ、新規の観点をもって議論にあたることができます。

現経営陣の5人のうち2人は創業期からいるメンバーですが、代表を含めた過半数は途中から参画したメンバーです。私たちが経営に携わっているのは、日々の運営目線以外に「事業単位」「会社単位」での俯瞰した思考ができるからであったり、全社・全事業領域での仕事が得意分野だったり、ただ「向いているからやっている」という意識があります。同時に、Backpackers' Japanを自分たち以上にもっとよくしていけるメンバーがいるならその人が経営を握るべきであるとも考えています。むしろ、小さい会社だからこそ、全体の成長のための多くの流動を歓迎すべきとも言えるでしょう。

今回募集する事業責任者は、事業規模の大きさから会社の中でもとても重要なポジションとなり、経営陣と連携しながら事業の将来設計をすることも想定しています。つまりはこの採用が、会社にとって歓迎すべき大きな変化のひとつです。

経営陣のシフトチェンジによる体制変更

その上で、社内における構造的な要請が影響し、今回の募集をするに至りました。

2020年まで、Backpackers' Japanの事業はゲストハウス・ホステルを企画運営する宿泊飲食事業の一本体制でした。要は、数年に一度の店舗展開を重ねながら、既存店舗の運営をうまく成立させることがそのまま会社の経営をすることでした。このときの経営陣は、会社全体の経営を考えるポジションでありながら、実際には宿泊事業のトップでもあったと言えます。

ところが、2020年のコロナ禍から、経営の如何を一事業のみに託していることのリスクを強く実感したこともあり、いくつかの新規事業を起こしました。それに伴い、経営陣は複数事業の運営状況を把握し、100名以上のスタッフが働きやすい組織体制を整え、新規事業のブランドを形成し、スタッフ間のやりとりや個々人の成長のサポートをし、財務体制をより強固にしていくべき立場へとシフトしていきました。

この状況の中で、いままで経営陣の責任領域としていた宿泊事業のリーディングポジションには、私たちではなく新たな人物を据え、率先して事業を牽引していって欲しいという考えを固めて今回の募集に至りました。また、いま現在において、この先事業をスケールさせていくことを主眼に置いたとき、現経営陣よりも得意かつ適性ある人物が他にいるであろうという予感も持っています。

前段で述べた通り、長く続けていこうと思えば思うほど、新陳代謝は必須だと思っています。日本での文化形成が中途段階であるホステル業態だからこそ、今後の発展のため、事業自体もまた新しい人物とアイデアを求めているように感じるのです。

もっと多くの人と、会社の将来について、一緒に、真剣に話をしていきたい

最後にもう一つ。私たちは新たに迎えるその人と、事業や仕事について、ひいては会社の将来について、真剣に語り合いたいと思っています。

私たちBackpackers' Japanは2010年に友人4人で創業した会社です。それから15年も経って、「友人と起こした会社で」と言い続けるのは過剰にエモすぎる感じもあるのですが、一方でこのことは、もはやただの事実を超えて会社の大事なアイデンティティのひとつになっているとも思っています。

たとえば、2022年に新たに経営に参画した役員の一人が「BJの経営層のいいところはとにかくみんなが率直になんでも話すことですよね」と言っているのも、本を正せばそういうところが影響しているのではないかと考えています。その発言のとおり、私たちは創業期からずっと、さまざまな意思決定について、とにかく話をすることで方針を定めていきました。

正解のない議論に対してなんとか方向づけを行うにも、どうしても意見が合わないことに対して保留の判断を下すのにも、どういったプロセスを取るかが重要。友人としてお互いを信頼し、それぞれが嘘なく思っていることを話せることが議論の大前提で、率直で真剣な話し合いができるからこそ意味ある意思決定ができていると私たちは思っています。

意見の食い違いによって発生する個人的なわだかまりは全社視点の目的の前では些事とも言えますし、どうしても納得ができなかったら再度話せばいいだけ。いつでもそれができる準備が、私たちにはあります。

少し話が飛躍しますが、会社をやっていく上で、こんなふうに正直に話せる人が周りにいること自体が幸福でもあると思っています。スマートにことが運ぶ議論であっても、紆余曲折するものであっても、真面目で建設的な話は純粋に楽しく、ときに思ってもみなかったひらめきやワンダーに恵まれ、話せば話すほど信頼が土台にある有り難さを実感させられます。

先日、友人に「普段働いてて、この仕事クソだなって思う瞬間、ないでしょう?」と言われて、1秒ほど考えて「うん、ないかも」と答える場面がありました。他の経営陣のすべての感情まではわからないけど、少なくともBackpackers' Japanの経営層のひとりは「クソだな」と微塵も思うことなく自分たちの仕事を捉えている。それってものすごく素晴らしいことなんじゃないだろうかと、そのやりとりを振り返って思います。

同時に、そんな仕事ができているんだったらもっとたくさんの人と関わり合いながら、一緒に多くの話をして、会社の未来を考えていきたいと改めて思いました。いい仕事がつくれていると胸が張れる実感をいろんな人と分け合いながら、今後さらに複雑化していくだろう議論に観点を増やしながら、真剣な話を続けていきたい。

すでに触れた通り、今回募集する事業責任者は、会社の中でも重要なポジションになることを想定しています。まさに、会社のことについて真剣に話せる人を増やす契機になるでしょう。信頼をベースに、真っ直ぐに話ができる人を増やすことは、会社の将来も、自分たちの事業が波及する社会についてもよくすることにも繋がっていくと私たちは考えています。

 

--

 

以上のような背景から、わたしたちは今回の募集を決めました。採用記事も、こちらの記事も、それなりに長文です。面白く感じてくれた人もいれば、これだけ読んだ結果余計にわからない部分が生まれた人もいるのではないかと思います。

面白く読めた人でも、疑問が浮かんだ人でも構いません。私たちの会社や、事業や、展望に共感し、興味を持ってくれた方は、ぜひ一度ご応募ください。まずは一緒に話をしましょう!

 

応募は募集記事の下部よりお願いいたします。