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ROASTERY

ブラジルのイパネマ農園について

2021/09/10

9月になり、長く続いた暑さも落ち着きそうですね。
「読書の秋」とはよく言ったもので、穏やかな天気の中、コーヒーでも飲みながら読書することを想像するだけで心がホッとしている西村です。

本といえば、豊洲のSPBSさんにて私のお気に入りの本を紹介するコーナーを設けていただきました。読んでいるだけでよだれが垂れてきそうなフードエッセイ集から、分厚いコーヒーの勉強本まで・・・
たくさん置いていただきましたのでお近くの方はちらっと覗いてみてください。

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Brazil Ipanema rio verde【STONE FRUIT】のはなし

日本から遠く離れた、地球の反対側にある国ブラジルからとても高品質なコーヒーが届きました。
コーヒー好きの方なら一度は聞いたことのある「イパネマ農園」。
世界でも最大級の生産を誇る大きな農園で、なんと10億杯分に相当するコーヒーの量を収穫しています。多すぎて少し想像がつきませんが、重さにすると9200トンほどらしいです。

今回のブラジルのコーヒーはイパネマ農園のなかでも特に高品質の、マイクロロットプロジェクトのものです。農園はマンチケーラ山脈に位置し、『天に届く泣涕(きゅうてい)する山脈』と 呼ばれるほど標高が高く、山々がうねり、水が豊富にある奇跡的な場所です。
というのも、ブラジルではそこまで標高の高い山がないので、コーヒーの味わいもフラットなものが多く、高地でとれるフルーティーなコーヒーはとても珍しいのです。

緑に覆われた山

特にこのロットを生産しているエリアは地形的に険しい起伏があり、作業は困難。一方で、高いところで標高 1310m にも達する場所にキチンと整備された区画があることは非常に面白く、区画ごとに異なる風味のコーヒーを生産するプロジェクトが始まったのです。

標高や収穫時期、乾燥方法を変えて様々なフレーバーを表現することに成功したこのプロジェクトでは、区画ごとに4つのテーマを付けて生産を行っています。【RASPBERRY】【FLORAL】【WINY】そして私たちが購入させていただいた【STONE FRUIT】の4種類のロットです。

全種類飲んだのですがすべてのロットがまさに名前の通りの風味で、今まで私が持っていたブラジルのイメージとはまったく異なるクリーンな味わいと、綺麗で明るい酸味がそれぞれのロットから感じることができました。特にストーンフルーツロットからはアプリコットや黄桃のような柔らかな酸味と甘味、そしてベルベッドのようなコクと口当たりがストーンフルーツを連想させ、長く心地よく続く余韻があります。

「ブラジルのコーヒーをあまり美味しいと思ったことがない・・・」という方はたくさんいらっしゃると思いますし、私自身もブラジル産の豆を好んで選ぶすることが少なかったので、そういう人にこそおススメしたいコーヒー豆となっています。

焙煎方法ですが、ストーンフルーツロットが持つ甘さやまろやかな口当たりを最大限生かすようにしています。ミルクにも合う一杯となっているのでご自宅でカフェオレやミルクブリューとしてつくってみるのもいいですね。

原産地:ブラジル
地域/区画:リオベルデ C27 /北斜面
農園:イパネマ農園
品種:イエローカツアイ
標高: 1185~1276m
精製方法:ナチュラル
乾燥処理::日陰干パティオで 524.6 時間乾燥

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Haruの近くに「大横川親水公園」という公園があります。園内の「花紅葉ゾーン」が私は好きで、そこではビオトープや日本庭園があり四季折々の風景をゆっくりと楽しむことができます。コーヒーをテイクアウトして池のほとりでホッとするのもおススメです。

まだ気軽に外出したり、何をするにもよく考えて行動しなければいけない時期ですが、自分のために美味しいコーヒーを飲むことくらいは忘れないでいたいですね。私はいちコーヒー好きとして、コーヒーが持つ可能性をとても信じています。
自分が普段口にするコーヒーも遠く離れた国の人が心を混めてつくっていることを忘れずにいると、どのコーヒーにも自然と愛着が湧いてくるものです。