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ROASTERY

焙煎検証会「ドライ過程が及ぼす味の違い」に参加しました

2022/04/25

ご無沙汰しています。西村です。
最後にブログを書いたのが去年の9月。
それからだいぶ時間が経ってしまいましたが皆様お元気でしょうか?
今年は焙煎や抽出、その他コーヒーに関することやそうでないこと、色々発信出来ればと思っています。

9月に焙煎機が届いてから実際に稼働したのは12月。今はようやく操作に慣れてきたくらいの時期です。
基本的に焙煎は定休日の木曜日に行っていますが、たまーに営業日に焼いていたり、焙煎機を時間貸しするサービス「シェアロースト」を行っているので動いているところを見ることもできるかもしれません。
もし動いているところが見れたらラッキーですよ。

先日、焙煎機の設置を行ってくれたDCSさんが開催された焙煎に関する検証会に参加してきました。その結果をみなさんにもシェアさせていただきます。少しばかり専門的な知識が盛り込まれていますので、焙煎に興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。

【焙煎について】
まず、コーヒー豆の焙煎とは生豆に熱を加えて化学反応を促し、味や香りを引き出していくことを指します。私たちはこの焙煎のプロセスを大まかに3つの段階に分けて考えています。
一つ目は、焙煎が始まりコーヒー豆の水分が蒸発して科学反応が起こりだす前の準備段階「ドライ過程」。次にコーヒー豆が黄色く変化し、味や香りを生成していく段階。私たちが使用しているLoring社の焙煎機の場合、170℃からその段階に入り、「メイラード反応」と呼ばれる、アミノ酸と糖が加熱によって結びつく反応が起こります。このフェーズに入ると香りがどんどん甘くなり、見た目が褐色に変化していきます。

最後に1ハゼから焙煎を終了する「デベロップメントタイム」と呼ばれる段階。様々な化学成分が分解・生成・結合などを繰り返し、コーヒーらしい風味やボディ、甘み、苦味を形成していきます。
コーヒー豆を炒るという、一見簡単そうに思える工程ですが、焙煎機の中では様々な化学反応が起こっています。

今回、DCSラボカッピングで行われたのは「ドライ過程が及ぼす味の違いについて」でした。焙煎が始まってから170℃までの時間が長いもの、短いものに分けて飲み比べを行いました。
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焙煎条件
焙煎機:Loring S15 Falcon(焙煎量は3キロ)
生豆:エチオピア、中南米 、アジアの豆計6種
投入温度:約160℃
焙煎具合:浅煎り(約211℃で終了)
焙煎時間: short約7分/ long約9分
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ショート:ドライ4分、メイラード2分半、ディベロップ60秒
ロング:ドライ6分、メイラード2分半、ディベロップ70秒

ショートは酸味がシャープでジューシーな口当たり。フレーバーは強く出るが甘みや質感がロングと比べると乏しい印象でした。
一方ロングは口当たりがよく甘みが強く酸味は穏やかな味わい。ショートと比べるとフレーバーはそこまで強くないけども、余韻が長くまろやかな印象でした。

あくまで「味の違い」なので主観での感想となりましたが、産地や品種ごとに向き不向きがあるかと思うので使い分けしてそれぞれの個性を引き出すことを意識して焙煎していきたいですね。
次回のDCSラボカッピングではコーヒー豆に含まれている水分値などにも焦点を当てて検証してくれるようなので、そちらもまた情報シェアできればと思います。

ようやくですが焙煎機の時間貸しサービス「シェアロースト」も少しずつ稼働してきました。
より多くの焙煎に興味がある人たちが気軽に焙煎へ踏み出せるようなロースタリーになれるように準備していきます。

photo by ONLY ROASTER