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Hostel, Cafe, Bar, Dining in Kyoto.

Guesthouse and Bar in Kyoto.

京都店出店記念企画!社内対談「藤城昌人(マネージャー)×藤村勇人(キッチンチーフ)」

 

ついてかなきゃと思わされる—大工さんとの関係性

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——いま現場では二人の他にどなたが作業してるんでしょうか?

あいちゃん:俺たちの他にもう二人、社員と準社員が居て、その他に大工さんのくわさん。それから今週中になべさんも本格的に参加します。そうなるとやることもまた増えるかな。

なべさん(渡部さん)…ゲストハウスtoco.の改装時から施行をお願いしている東京の大工さん。渡部屋代表。toco.及びNui.の現場では棟梁として大工さんと職人さんをまとめ、現場を引っ張っていってくれた。

くわさん(桑原さん)…Nui.のカウンターを仕上げにニセコからやって来た北海道の大工さん。今回もカウンターに使う木選びから協力してくれている。京都店ではなべさんと共に工事のリーダーとして現場をまとめてくれる存在。

 

 

——くわさんが京都にきてからはどれくらいですか?みなさんでどんなことをしてるんでしょう。

あいちゃん:三週間ぐらいかな?

タケトさん:そうだね。くわさんとは、まずお酒を飲んでる。ビールをね、とにかく一緒に飲んでる。

——笑。

タケトさん:あとは、現場に入ってもらって業者さんとの架け橋になってもらってます。躯体や設備の工事に関して、俺たちには分からない作業の内容なんかを通訳してもらって『もっとこうした方がいいよね』ということをこちら側の意図を汲んで伝えてくれたり。お陰で俺たち自身もだんだん業者さんと話せるようになってきてて。

あいちゃん:うん。それから一階のラウンジスペースと二階の共用フロア、つまり渡部屋が主に入る造作の計画や内装デザインの話を一緒にしてますね。ベッドの仕様もそうだね。

 

——なるほど。大工さんのくわさんは、二人から見てどんな人なんでしょう。

タケトさん:くわさんは…すごく、とにかくすごく気持ちのいい人、かな。からっとしてて、例えばさっき言ったような作業をする中でも『これは自分たちでできますか?』って相談すると『いやあ、人間だいたいなんでもできるから』って言って。それで『ははは』って笑ってるような人(笑)

あいちゃん:なんというか、感じ方なんだけど、対等に話をしてくれている気がするんだよね。同じ目線というのかな。大工さんだけど、一般の施行業者さんという繋がり方では全然ない。

タケトさん:そうだね。普通は施主側と大工さんの関係って、施主がお金を払って、注文つけて、大工さんはそれに応えてものを作るっていうのが、それが一般的な形だと思うんだけど。くわさんは、俺たちの意図を汲んだ上で色々と提案してくれるし、逆に、俺たちが大工さんに「なんとかついてかなきゃ」「食いついて頑張ってかなきゃ」って思うぐらい。それってきっと、本間たちが作ってきた関係性がそこにあるからなんだろうけど。ずっと受け継がれてきてるんだと思う。

本間貴裕…Backpackers’ Japanの代表取締役。なべさんとはtoco.の改装工事時、くわさんとはNui.の改装工事時に知り合う。

 

 

怒られた出会いにはじまり、同じ熱量を感じられる場所へ

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——お二人は特にその本間さんと大工さんたちとの関わりをずっと見てきていますよね。その影響も大きいんでしょうか。

タケトさん:ところがね、俺はNui.の改装にもtoco.の改装にも一度も入ってないんだよね。Nui.には、工事が始まる前に物件を見に行っただけ。toco.に至っては工事中に見学に行って、その当時のなべさんに怒られたことがあるぐらいで。

あいちゃん:え!怒られたってなんで?

タケトさん:ええっと…そのときね、俺はピンクのパンツに、ひらひらした黒いカーディガンみたいの着て、toco.に行ったんだよね。

あいちゃん:

タケトさん:今思うと結構なね…(笑)。まあ、そういう格好をしていたんですよ。それで、本間が現場を案内してくれたんだけど、そこにはトモさん(toco.初代棟梁)となべさんが居て、で、こう、手だけで挨拶するみたいな軽い感じで『こんちは〜』みたいな挨拶をして。そのあと、一通り見学し終わって『ありがとね本間』って現場を出ようとしたときに、『ちょっと』ってなべさんに呼び止められて。

あいちゃん:そんなことあったんだ。

タケトさん:うん。まずはなべさんが本間に『いやお前、人をここに通すときはちゃんと紹介しろ』って注意したんだよね。『仕事場で知らない者同士がすれ違うんだぞ、今この同じ場所で出会ってるんだから、こちらが大工さんやってくれてる、渡部さんです、トモさんです、こちらは大学の先輩のタケトさんですという紹介をちゃんとしろよ』と。そのあとで俺も『お前も本間に紹介はされてないかもしれないけど、「ちゃんと」挨拶はしろよ』って、しっかり怒られて。そのことはすごく印象に残ってたなあ。

 

——今のなべさんともまた、印象が違います。今になってなべさんとそのことを話される事はありますか?

タケトさん:うん。たまにその時のことを話すると、なべさんも『あん時はほんとふざけた格好してたよな〜!』って(笑)。

あいちゃん:

タケトさん:だから逆に『そのときの感じと今のタケちゃんの感じも全然違うんだよね』ってなべさんも言ってくれる。ちょっと話がそれちゃったけど、とにかく俺はtoco.やNui.の工事では大工さんたちとの関係性ってほとんど理解してなかった。Nui.で働いてた時でさえ、大工さんたちが来てみんなが『なべさん!』『くわさん!』ってみんなが歓声を上げるのも不思議に思っていたというか、遠巻きに見てる感じだったしね。だから本間が大工さんすげえっていうのも、(工事の)現場が大事っていうのも、正直ピンと来てなかった。その時はなべさんともくわさんとも話したことなかったからなあ。

あいちゃん:で、今回の京都で、なべさんやくわさんとしっかり会ったと。

タケトさん:そうそう。だからこそ、今回京都の現場で大工さんと一緒に話して、今は家もくわさんと住んでるから毎晩一緒に飲んで、みんなが「大工さん!」ってキラキラした顔で言うのが『ものすごく』よくわかる!だから、よかったなって。それに、そういう思いを経験するためにこの新しい現場に関わりたいって思ってた。店が出来て、ただそこに入ってキッチンで働くっていうよりも、工事を経験して、その熱量みたいなものを感じたいなって思ってたから。だから俺はいますごくいい場所に居させてもらってるなって思って。そう思います。

 

(次頁へつづく)