NOTES

第13期振り返り:できないときには仕組みから組み換える

2022年7月31日でBackpackers' Japanは第13期を終え、今月から第14期に入りました。11期ぐらいから完全にモードが変わった感じがしています。特に今年は社会も世界も大変ですが……。

1年前の僕のツイートと照らし合わせつつ第13期がどんな期だったかを振り返ると

・ロースタリー、キャンプ場、その他新規事業の企画・展開をしながら→やり続けたがなかなか慌ただしかった
・会社本部の足場固め→役員を採用したほか本部での採用を実行、足場固めというより新規行動
・ホステル、ホテル業の足場固め→既存店は現店舗メンバーに任せつつ店舗展開計画の作成を開始

といった感じになります。思っていたより守りよりも攻めのアクションが多い。個人的にこの1年を振り返ると「いまできないことをやれるように仕組みを組み替える」を意識した一年だったなと思います。

当たり前っちゃ当たり前の話なんですが、人はなにかと、できないことやできていないこと、要は現状への欲求不満を、その不満の表出にだけエネルギーを使ってしまう。そうでなくとも、不満の原因を探し出すことや、または「きっともうちょっと後にはよくなるはずだからそれまで我慢しよう」と根拠のない希望に身を委ねることに終始してしまいがち。あるいは「なんとかしよう!」と思っても、できていないことをちょっと改善するだけで満足してしまいます。そして様子を見ちゃう。もちろん少しずつでも現状をよくするのは必要なんだけど、いつまでもすっきりしない自分に気づく。

そのとき必要なことって「いまできていないってことはこれはきっとこの先もできないままだぞ(では仕組みを変えてしまおう)」とある種の見切りを早めにつけることだったりします。

明らかに吸引力が弱くなってきた掃除機をごまかしごまかしなんとか長く使うことはできるけど、買い換える選択はなかなか選べない。このままの方が合理的というわけではなく、なんとなく、心理的に。「いやむしろそもそも掃除機が必要ない状態にできないか?」と考えの方向を変えるのはもっと難しい。

掃除機はただの例えだけれど、10年以上やってきて、「うちの会社ってこうだから」といつの間にか染み付いてしまった感覚を一新した方が自分たちにとっても健康的だなと思うタイミングが何度かありました。

そのうちの象徴的な出来事が役員採用

採用すると決めたこと自体もそうだけど、ふたり入ってもらった役員のうち、塩くんの仕事は(採用時は特に)明確に決まっていなかった。けれどもいま自分たちにとって必要な人物だという実感があったので、具体的なことはあとから追いつかせることにしました。塚崎さんも塩くんも、いまの会社に新しい色を足してくれる人、会社のあり方をずらしてくれるだなと思っています。「状況を変えると選択の幅が増す」のも、もとの状況のままメンテナンスを続けることに比べて大きな利点。

新型コロナウイルスの前と後で、1期ごとが円環ではなく、2期ぶん、3期ぶんとそのまま線が延びていってる感覚があります。自分たちの決定や判断がなにか結果を出すのはまだずっと後であることの表れかもしれない。そして今はそれでよさそう。

14期もまだきっと揺れる期だと思います。波を乗りこなすだけでなくて、ときには船を組み換える方法を、そしてそれができる人を増やしていきたい。

 

 

(写真で振り返る第13期)

キャンプ場近隣・昨年夏頃

 

瀬戸田港あたり・地域創生スタディーツアー in 瀬戸田(生口島)at Soil Setoda

 

佐渡汽船・PerchT0KI BREWERYに呼んでもらって佐渡へ

 

三軒茶屋・ビアパブ視察 年末ごろ

 

Haru・焙煎期が入ったのも13期

 

蓼科湖・2月役員合宿

 

CITAN・5周年ビール by DD4D

 

隅田川・役員増員時撮影

 

キャンプ場・管理棟リノベーション着工 春ごろ

 

キャンプ場・若葉

Written by

石崎 嵩人

1985年栃木県生まれ。Backpackers' Japan取締役CBO。2010年2月にその他創業メンバーと共にBackpackers’ Japanを設立。CBOとしてコーポレートアイデンティティ設計やブランド構築、事業ごとのコンセプト立案やクリエイティブディレクションを担う。個人の活動として、出版サークル「麓(ふもと)出版」、ラジオ「ただいま発酵中」等。